ヒッコリーは主に北米を産地とし、高級家具にも使用されるように重硬な素材で強度に優れ、衝撃吸収力が大きい一方で、ドラムスティック素材としてはクリアで暖かみのあるサウンドを発揮し、適度な柔らかさとしなりをもつポピュラーな素材です。また緻密で弾性があり、手首のスナップが効きやすいことからプレイの際にコントロールがしやすく、重すぎず、軽すぎずクセがないことにより、様々なタイプの音楽にフィットするスタンダードな素材となっています。

ジャパニーズオーク(ナラ材)とよばれる、家具やフローリングに使われる精悍な木目を持つ強靭な材で、ドラムスティックとしてはヒッコリーに比べややウェイトの大きいパワフルなタイプです。比較的重めで硬く、耐久性は抜群で、重みを生かしたハードなストロークでは音圧を得やすく、パワフルなサウンドを発揮。ずっしりとした重量感によりロックやハードな音楽など激しいパフォーマンスでよく使われるほか、練習用スティックとしても採用される個性豊かな素材です。

メイプルはドラムスティックとしては比較的軽量ながら、硬く、密度が高い特性を持ち、とりわけシンバルの美しく繊細な音色など、明るくやわらかな独特な響きを引き出すのに効果的な素材です。パールのメイプルスティックには選び抜かれたメイプル材だけを使用し、曲がりなどの変形の少ない特性によりスティックコントロールのスムーズさは抜群。控え目な音量でもツブ立ちがよく、繊細なサウンドを引き出します。

適度に丸く、適度に平ら(面がある)なので、音量を出しつつ音色のコントロールもできます。叩く、打ち込む際の打面への角度や当たる面積の違いにより音色の微妙な変化、コントロール、細かいニュアンスをつけることも可能で繊細で多彩な表現ができ、演奏の幅が広がります。ポピュラーかつ標準的な形状でやや繊細なサウンド。柔らかめの音色で、扱いやすいタイプ。シンバルのアタック音はやや繊細になる傾向があります。卵型は様々なタイプのチップの特徴をいいバランスで取り入れており、ジャズをはじめ多様なジャンルで使いやすいチップです。

球型チップは、スティックの先端部分がボールの形に似ていて、どの角度から叩いても打面に当たる面積は一定なため、同じ音色が出しやすく、ダイナミクスや音質も安定します。ツブ立ちにムラが出にくく、かつリバウンドも良好で次のストロークへのつながりがスムーズ。また、ドラムとの接地面積が小さい為、音の粒立ちや歯切れがよく、タイトで安定したサウンド。吹奏楽のマーチなどで一定のサウンドをキープしたい場合にも最適なチップ形状です。径の小さな丸型チップはジャズなどに、また、径の大きなものはロックなどパワフルなサウンドに向いています。

ボール型チップと比べて、縦に押し潰した俵のような形状で、「四角型」「樽型」ともいわれます。チップ側面がそれほど長くないため音の粒を揃えやすく、安定したサウンドや音色、そしてリバウンドの素直さを好む方向けです。接地面積がボールタイプに比べて広く、ドラムの打面に対して“面”で当てることができるので、音が太く、よりパワフルに鳴らしやすい特性を持っています。一方、平らな面と丸い面を使い分けることで、角度によって接地面積が異なり、響きに変化を与えることも可能。スティックコントロール次第で多彩な音色を引き出せます。

ティアドロップ型チップの先端をさらに尖らせたのがアロー型。尖っている先と平らな側面を備え、チップの先とふくらみのピークが当たる角度によって様々な音色を作り出せます。音色の変化は卵型やティアドロップ型よりも大きく、繊細な表現を求めるドラマー向きです。打面に対してチップの角度が平行なほど、はっきりとした音を出すことができ、逆に打面との角度が大きくなるほど繊細なサウンドになります。特にシンバルなど、細かい音色やニュアンスを変化させるのに最適で、オーケストラや吹奏楽などでも好んで使用されることが多いタイプです。

涙や水滴の形のような細長い楕円状で、チップの先に向かって細く平たくなっているため、打面に当たる角度によって音の変化をつけられます。ヘッドやシンバルの打面にチップが当たる角度によって接地面積の大きさやリバウンド具合が変わり、音色を細かく調整することができるため、曲の中で変化をつけて楽しむことができます。奏法が様々に身につけばつくほど、コントロール性が高まり、音色に繊細な変化をつけることができます。ジャズやクラシック音楽の演奏など、表情豊かで、より細かいニュアンスを必要とするジャンルに向いています。

ナイロン素材(硬い合成樹脂)によって作られるチップで、ハードなジャンルでのプレイだけではなく、ノーマルな使用状況でも、欠けにくく耐久性に優れる点と、個体差が少ないことによる音の均一性が特徴です。打感はウッドチップに比べて若干硬めで、素材の強度のおかげで、1つ1つの音を力強くはっきりと鳴らすことができます。また、音の立ち上がりも素早く、特にシンバル類では硬質な音色を引き出し、周りの大音量に音が埋もれがちな音楽でも、ハイハットやライドシンバルによる鮮明なレガートを通してバンドサウンドを引き締めます。

テーパーとはスティックのチップに向かって細くなっていく部分やその角度のことで、ショルダーとも呼ばれるスティックの重心を決める箇所となります。ショートテーパーのモデルは、テーパーエリアが短い、つまりスティックの先端寄りの部分において切削されている量が少ないことになり、結果的に重心が先端のほうに寄っていきます。ショートテーパータイプのスティックは、スティックの先端が重くなることにより、ストローク自体が重くなり、リバウンドが早く強めに跳ね返ることで音量やアタックが稼ぎやすくなります。

スティックには重心があり、その位置によってスティックの振り心地や、リバウンドの感触が変わってきます。また、同じ長さ、同じ太さでもスティックのテーパーの違いによって重心やバランスは変わります。また変わったところではグリップ部にテーパーがあるモデルもあります。テーパーのカットの程度が中間のものをノーマルテーパー、ミディアムテーパーとも呼び、初心者の方にもクセがなく、あらゆる場面で安定して演奏ができ、また様々なストロークにも取り組みやすいタイプです。

テーパーの長短でスティックの重心の位置が変わり、スティックのストロークやリバウンドに影響が出ますが、ロングテーパーと呼ばれるタイプは、テーパーエリアが長い、つまりスティックの先端に向かって多く削られていることになり、結果的に重心が手元のグリップエンドのほうに寄ってきます。スティックの先端が軽くなることにより、ストローク自体が軽くなり、リバウンドはゆっくり柔らかく跳ね返ることで、繊細なサウンドのコントロールがしやすいため、ジャズやコンサートモデルのスティックに多いテーパー形状となります。

"ドラマーの体格や手の大きさはドラマーごとに様々なため、演奏しやすい最適な太さ(スティックの直径)も異なりますが、スティックを操作する上で言えば、太く感じるか細く感じるかは持ちやすさに直結します。 直径がスリムなほどスティック自体の重さが軽くなり、サウンドも軽快になります。細めのスティックをグリップする際は、手や指をタイトに保つ方向になり、音量をコントロールした演奏や繊細な音が出しやすいといった特徴があります。パールスティックのラインナップで言えば直径が13mm～14mmに相当します。"

スティックの直径がラインナップ中、中間程度のものは、比較的幅広いドラマー層や様々なプレイスタイルに対応できると言えます。パールスティックのラインナップで言えば14.5mmあたりに相当します。細すぎず、太過ぎないスティックは、結果的にバランスよくホールドできることになり、スティックスピードも無理なく稼ぐことができ、加えてドラムセットの各パーツへの移動ショット時にも有利です。

パールスティックのラインナップで言えば直径が15mm、15.5mmあたりに相当する、太めのタイプです。直径が太いほどスティック自体の重さが重くなり、サウンドも重厚になり、大音量を出したい場合に向いています。また太めのものはグリップする際に手の使い方としてリラックスしやすく、比較的フリーなホールド感を得られる特徴も持っています。またオープンリムショットの際はこのモデルのように太さがあるほど、一層のインパクトが得られます。

短めのスティックは軽量であることと、ストロークの際のチップに掛かる遠心力も小さめで、ショット時のパワーも抑えられ、さらにスティックから伝わるダイレクト感が強い一方で、細かなフレーズなどでの音量やニュアンスのコントロール性に富んでいるため繊細な表現に向いています。パールドラムスティックのShortタイプは384mm～398mmの設定。

楽器へのリーチやリバウンド具合、ストロークのしやすさ、そしてパワーや操作性などにおいて全てがバランスよく中間に収まる長さを持ったタイプ。パールドラムスティックのNormalタイプは403mm～408mmの設定。

長めのスティックは比較的重量があり、ストロークの際にチップに掛かる遠心力も大きいため、スナップを効かせたショットが最大限に活かせます。またスティックのしなりも感じられるとともに、グリップポジションが様々に取れることによりリバウンド具合にバリエーションを持たせることができます。パールドラムスティックのLongタイプは410mm～431mmの設定。

パールドラムスティックの最もポピュラーなフィニッシュで、工程の仕上げに所定の厚みのクリアラッカーを施すことにより、スティック表面への汚れの付着や湿度の吸収を抑えつつ、適切なグリップ感を実現しています。

クリアラッカー・コーティングをクラシックシリーズより厚めに施したタイプ。手汗をあまりかかないドラマーには、しっとりと馴染むウェット感を与え、密着度の高いグリップが得られるシリーズです。

ラッカーコーティングをいっさい施さず、研磨だけで仕上げたタイプ。多少ザラつきがあるスティック表面で汗を吸収しやすく、滑り止め効果抜群なグリップ感のため、手に汗をかきやすい方に適したモデルです。

ドラム機材やコスチュームのカラーに合わせて、スティックのカラーもウッドのカラーだけではなく、バリエーションとして選ぶことができるカラーのひとつで、とりわけシャープで精悍なルックスを放つブラックラッカーフィニッシュをラインナップ。

"研磨工程で表面をやや粗く仕上げた後にクリアラッカーを施したタイプ。クリアラッカー仕上げと比べてグリップが程良く効く一方で、 ナチュラル仕上げよりもざらつきの強さを抑えたモデルです。"

アーティストモデルに採用されているカラーバリエーションの一つ。ステージ上で抜群の存在感を発揮し、華やかなプレイスタイルを演出します。